仕事、家事、育児。
毎日やるべきことに追われていると、自分のための時間はどうしても後回しになりがちです。
疲れていても、「まだ頑張れる」と動き続ける。
少し時間ができれば、スマートフォンを開いて情報を追いかける。
気づけば、何もしない時間を過ごすこと自体が難しくなっている方もいるのではないでしょうか。
そんな日常から少し離れ、ただ身体を温め、ハーブの香りに包まれながら過ごす時間を提供しているのが「リンネサアナ」です。
サロンを営む関口麻紀子氏は、大手化粧品会社に29年間勤務した後、早期退職して独立。タイの温熱文化を取り入れたハーブテントを中心に、耳つぼマッサージ、耳つぼジュエリー、靈氣ヒーリングなどを提供しています。
リンネサアナが大切にしているのは、美容や健康のために「もっと頑張る」ことではありません。
むしろ、その反対です。
「ここでは、頑張らなくていい」
忙しい日常の中で、自分自身に意識を戻す時間を届けたい。
今回は、関口氏が29年間の会社員生活を経てサロンを開いた背景や、ハーブテントに感じた魅力、そして「大切な人にこそ教えたくなる場所」を目指す理由について伺いました。
29年間の会社員生活を経て、「好きなことを仕事に」と決意
これからの人生を、自分らしく生きたい
関口氏は、開業前まで29年間、大手化粧品会社で働いていました。
美容の仕事に長く携わる中で、多くのお客様と接し、人がきれいになることに関わってきました。
一方、長く会社員として働くうちに、次第にこんな思いが芽生えていきます。
「これからの人生は、本当に自分が好きなことを仕事にしたい」
そこで早期退職を決断し、新しい道へ進みました。
もともと関口氏は、身体を温めることが好きだったといいます。
自身も身体の不調を経験したことから、女性ならではの悩みを抱えている方が少なくないことを身近に感じていました。また、冷えを気にする方は女性に限らないとも感じていたそうです。
以前から「よもぎ蒸し」に興味を持っていた関口氏が、あるとき出会ったのがハーブテントでした。
「ただ温まる」という時間に感じた魅力
ハーブテントでは、テントの中でハーブの香りを感じながら、じっくりと身体を温めていきます。
関口氏が心を惹かれたのは、温まることだけではありませんでした。
テントの中では、何かを頑張る必要がありません。
運動するでもなく、仕事をするでもなく、誰かのために動くでもない。
ただ座り、香りを感じながら、自分のためだけに時間を使う。
「頑張って何かをするだけでなく、何もしない時間も必要なのではないか」
そう考えるようになったことが、リンネサアナの原点になりました。
「身体を温める場所」から、「自分に戻れる場所」へ
お客様の言葉が、サロンの意味を変えた
開業当初、関口氏はハーブテントを、身体を温めることを中心としたサービスとして捉えていました。
しかし、実際にお客様を迎えるようになると、想像していた以上に多かったのがこんな声でした。
「ここに来ると、何も考えずにゆっくりできる」
「すごくリラックスできた」
「また頑張れそう」
その言葉を聞いて、関口氏は気づきます。
お客様が求めているのは、身体を温めることだけではない。
誰かのためでも、仕事のためでもない、「自分のためだけに過ごす時間」そのものを必要としている方がいるのだと。
そこから、リンネサアナが目指す場所も少しずつ明確になっていきました。
身体を温めるだけの場所ではなく、心までゆるみ、自分自身に戻れる場所。
それが、現在のリンネサアナです。
リンネサアナは、「頑張る場所」ではなく「頑張らない場所」
何もしない時間を、あえてつくる
美容や健康という言葉を聞くと、「何かを続けなければ」「努力しなければ」と考えてしまうことがあります。
リンネサアナは、その逆を大切にしています。
何かを頑張るために来るのではなく、一度立ち止まるために来る。
ハーブの香りに包まれながら身体を温め、スマートフォンから少し離れる。
外から流れ込んでくる情報をいったん止めて、自分の内側に意識を向けてみる。
「今、自分は疲れているのかな」
「少し無理をしていたかもしれない」
普段は見過ごしてしまう自分自身の状態に、気づくきっかけにもなります。
関口氏は、こうした時間を「何もしない贅沢」と捉えています。
その日の気分に合わせて、自分をいたわる
リンネサアナでは、ハーブテントを中心に、耳つぼマッサージ、耳つぼジュエリー、靈氣ヒーリングなども提供しています。
どのサービスを選ぶかは、その日の気分や状態によってさまざまです。
大切にしているのは、「これをしなければいけない」と決めつけることではありません。
そのときの自分に目を向け、心地よいと感じる時間を過ごすことです。
リンネサアナには、仕事や家事、育児に忙しい30代以降の女性を中心に、自分をいたわる時間がほしい方、冷えが気になる方、日頃の疲れを感じている方、スマートフォンや仕事から少し離れたい方などが訪れています。
「病院に行くほどではないけれど、なんとなく疲れている」
そんなときに、自分自身に意識を戻す場所として利用されています。
29年間の美容・接客経験を、一人ひとりとの時間に生かす
「きれいになる」だけではなく、心地よく過ごせること
関口氏が長年勤めたのは、大手化粧品会社でした。
その29年間で培った美容や接客の経験も、現在のサロンづくりに生かされています。
ただし、会社員時代とは、お客様との向き合い方が変わりました。
今は、一人ひとりとより近い距離で接することができます。
誰かにとってよいとされるものを一方的に勧めるのではなく、その人自身がどう感じているのかを大切にする。
関口氏が目指しているのは、「もっときれいにならなければ」「もっと健康にならなければ」と焦る場所ではありません。
その人が、その人のままで心地よくいられる時間をつくることです。
判断基準は、自分もお客様も無理をしていないか
仕事上の意思決定でも、関口氏が重視している基準は明確です。
「自分自身が心から納得できるか」
「無理をしていないか」
「お客様にとって本当に心地よいものか」
目先の結果だけを追うのではなく、自分自身もお客様も無理なく続けられることを大切にしています。
これまでの常識や「こうあるべき」に縛られすぎず、自分が本当にやりたいことは何かを考える。
29年間の会社員生活を経て新しい道を選んだからこそ、その考え方には関口氏自身の生き方も重なっています。
大切にしているのは、タイの「マイペンライ精神」
「大丈夫、なんとかなる」と肩の力を抜く
関口氏が大切にしている言葉があります。
「マイペンライ」です。
タイ語で、「大丈夫」「問題ない」「なんとかなる」といった意味を持つ言葉です。
関口氏は、この言葉に象徴されるタイのおおらかさや寛容さ、楽観性、自由な精神に魅力を感じています。
何でも完璧にしようとすると、人は知らず知らずのうちに力が入ります。
仕事も家事も、周囲との関係も、すべてきちんとやらなければならない。
そんな毎日だからこそ、ときには「大丈夫」と肩の力を抜いてもいい。
関口氏自身も、無理せず、自分らしく楽しく生きることを大切にしています。
そして、その空気感がサロンにも自然と表れています。
「ここに来るとホッとする」
そう感じてもらえることが、リンネサアナにとって何より大切なことです。
広告で広げるのではなく、「大切な人への紹介」でつながる
一人ひとりとのご縁を大切にする紹介制サロン
リンネサアナには、もうひとつ特徴があります。
多くの人を広告で集めることを目的とせず、ご縁を大切にした紹介制のサロンであることです。
「この人にこそ、ここでゆっくりしてほしい」
そう思ったお客様から、大切な家族や友人、知人へ紹介してもらう。
関口氏は、そんなつながりを大切にしています。
たくさんのお客様に来てもらうことよりも、目の前にいる一人との時間を丁寧に過ごす。
そして、その方が大切にしている人にも、同じように安心して過ごせる時間を届ける。
それが、関口氏の考える「ご縁」です。
「大切な人にこそ来てほしいサロン」でありたい
忙しい毎日の中で、自分のことを後回しにしてしまっている人。
頑張ることが当たり前になっている人。
少し疲れたときに、安心して肩の力を抜ける場所を必要としている人。
そんな大切な人が身近にいたとき、
「こんな場所があるよ」
と、そっと教えてもらえるサロンでありたいと関口氏は考えています。
口コミで広がるのは、単にサービスへの評価だけではありません。
「自分が大切に思っている人にも、この時間を体験してほしい」
そう思ってもらえること自体が、リンネサアナへの信頼の表れでもあります。
ハーブテントを、サロンの外へ。自然の中、そして世界へ
森や海、山で楽しむハーブテント
今後、関口氏が挑戦したいのは、ハーブテントをサロンの中だけにとどめないことです。
森や海、山など、自然を感じられる場所で体験できる機会をつくりたいと考えています。
その土地にあるハーブを使い、自然の香りや風を感じながら、自分自身と向き合う。
「ハーブテントはサロンの中で受けるもの」という枠を超えることで、新しい楽しみ方が生まれるかもしれません。
将来的には日本だけでなく、世界のさまざまな場所でハーブテントを体験できる活動にも挑戦していきたいといいます。
「自分を大切にすること」を、もっと日常へ
関口氏が社会に広げたいのは、ハーブテントそのものだけではありません。
「自分を大切にすることは、特別なことではない」
そんな価値観です。
温める。
休む。
深呼吸する。
何もしない。
どれも特別なことではありません。
しかし、忙しい毎日の中では、そのシンプルなことほど忘れてしまいがちです。
自分をいたわることを、何かを頑張った後のご褒美にするのではなく、日常の一部にしていく。
そのきっかけを、ハーブテントを通じて届けたいと関口氏は考えています。
「ここに来ると、ほっとする」。そんな場所を育てていく
29年間、大手化粧品会社で働き続けた後、「これからは自分が本当に好きなことを仕事にしたい」と新しい一歩を踏み出した関口氏。
その先で見つけたのは、何かを頑張ることで得る時間ではなく、「何もしないこと」に価値を見いだす仕事でした。
ハーブの香りに包まれる。
身体をじっくり温める。
スマートフォンを置く。
そして、自分のためだけに過ごす。
リンネサアナが届けたいのは、そんなシンプルな時間です。
「ここに来ると、ほっとする」
「また明日から頑張れそう」
そんな気持ちで帰ってもらえる場所であること。
そして、一度訪れた方が、自分の大切な人にもそっと教えたくなる場所であること。
もし身近に、いつも誰かのために頑張り、自分自身のことを後回しにしている方がいるなら。
リンネサアナという「頑張らなくていい場所」を、そっと教えてみるのもよいかもしれません。
店舗情報
| 屋号 | リンネサアナ |
| 役職 | ハーブテントサロンオーナー |
| 氏名 | 関口麻紀子 |
| 事業内容 | ハーブテント、耳つぼマッサージ、耳つぼジュエリー、靈氣ヒーリングなど |
| URL | https://linnesana.com/ |



