飲食店から、横浜の街づくりへ。Paratusが地域に根ざし続ける理由

飲食店は、ただ食事をする場所ではありません。

人が集まり、会話が生まれ、思いがけない出会いがある。
仕事帰りにふらっと立ち寄れる店があり、週末に仲間と集まれる場所がある。

そうした日常の積み重ねが、街のにぎわいや文化をつくっていきます。

一方で、飲食業界は簡単な世界ではありません。

人材不足、食材ロス、立地競争、社会情勢の変化。
大手チェーンのようにマニュアル化された運営だけでは、地域の人に長く愛される店づくりが難しい場面もあります。

株式会社Paratusは、横浜市中区を中心に、飲食業と不動産賃貸事業を展開する会社です。

イタリアン、メキシカンレストラン、日本酒立ち飲み屋、ワイン酒場、メキシカン居酒屋など、多様な業態を手がけながら、すべての店舗を横浜市中区に集中出店。

地域に根ざしたドミナント戦略により、人が集い、つながりが生まれる場づくりを行っています。

代表取締役の津久井将弘氏が見据える最終目標は、「自分が理想とする街づくり」。

飲食店は、その第一歩でした。

今回は、津久井氏が起業を決めた背景や、飲食と不動産の両面から横浜に関わる理由について伺いました。

目次

就職ではなく、卒業後すぐに起業するという選択

大学3年生の就職活動に抱いた違和感

津久井氏が起業を決めたのは、大学3年生の頃でした。

周囲の友人たちが当たり前のように就職活動を始める中で、自分の中に強い違和感があったといいます。

まず就職するのか。それとも、就職せずに起業するのか。何の事業をするかが決まっていたわけではありません。

それでも、津久井氏は卒業後すぐに起業すると決めました。

理由は、ただそれだけ。

多くの人が敷かれた道を進もうとする中で、自分は自分の道を選ぶ。その決断が、株式会社Paratusの原点になりました。

最終目標は、自分が理想とする街づくり

津久井氏が事業を考えるうえで、最初から見据えていたのは「街づくり」でした。

自分が理想とする街をつくりたい。

そのためには、ビルの経営や、地域に影響を与えられる商売が必要だと考えていました。

しかし、大学を卒業したばかりの資本力では、不動産やビル経営にいきなり取り組むのは現実的ではありません。

そんな中で、津久井氏が可能性を感じたのが飲食業でした。

イギリスの小さなバーで見つけた、街づくりの第一歩

店内装飾とバーテンダーの技術に感じた、空間デザインの力

飲食業を選んだ背景には、イギリスで出会った小さなバーの存在があります。

その店には、単にお酒を飲む場所以上の魅力がありました。

店内装飾の雰囲気、バーテンダーのスキル、その場にいるだけで感じられるエンターテインメント性。

津久井氏はそこに、空間デザインとしての可能性を感じました。

飲食店は、料理やお酒を提供するだけの場所ではありません。

空間、接客、音楽、会話、そこに集まる人々。それらが重なり合って、店の個性をつくります。

そして、魅力ある店が増えれば、街の印象も変わっていく。

飲食業は、街づくりの第一歩になる。

そう確信したことが、事業を始めるきっかけになりました。

まずは飲食業で、地域への影響力を持つ

津久井氏にとって、飲食業は最終目標ではありません。

理想とする街づくりに向けて、地域への影響力を持つための大切な一歩です。

人が集まる場所をつくる。
地域ににぎわいを生む。
そこから人と人とのつながりが生まれる。

その積み重ねが、街の価値を高めていくと考えています。

だからこそParatusでは、飲食店を単体のビジネスとしてではなく、地域に人の流れをつくる拠点として捉えています。

コロナ禍で問われた、変化を恐れず動く力

冷凍ピザの自動販売機、デリバリー、全国販売への挑戦

飲食業界にとって、大きな転機となったのがコロナ禍でした。

当たり前だった日常が失われ、外食のあり方も大きく変わりました。

多くの飲食店が苦境に立たされる中で、Paratusは状況が変わるのをただ待つのではなく、すぐに行動へ移しました。

冷凍ピザの自動販売機の導入、デリバリーの展開、日本全国でのお惣菜販売。

いずれも、当時としては他社に先駆けた取り組みでした。

店内で食事をしてもらうことが難しいなら、別の形で届ける。人の流れが止まったなら、新しい接点をつくる。

この変化への対応力が、コロナ禍を乗り越える力になりました。

毎年1店舗ずつの出店につながった転機

コロナ禍は、飲食業界にとって大きな試練でした。しかしParatusにとっては、自社の強さを確認する機会にもなりました。

変化を恐れず、すぐに動くこと。
これまでのやり方に固執せず、新しい販売方法に挑戦すること。
必要とされる形にサービスを変化させること。

その経験が、その後の毎年1店舗ずつの出店につながっています。

津久井氏が意思決定で重視しているのは、スピード、楽しそうかどうか、そして最初に抱いた直感です。

先が見えない状況でも、動かなければ何も変わりません。

直感を信じ、すぐに行動へ移す姿勢が、Paratusの成長を支えています。

横浜市中区に集中出店する、地域密着のドミナント戦略

人員配置や食材ロスの課題を解消するために

現在、Paratusは飲食業と不動産賃貸事業を展開しています。

飲食業では、フレンドリーなカウンター接客からイベントの企画・開催まで、幅広い営業スタイルを実践しています。

料理ジャンルも多様です。

イタリアン
メキシカンレストラン
日本酒立ち飲み屋
ワイン酒場
メキシカン居酒屋

一見すると幅広い業態に見えますが、出店エリアには明確な方針があります。

すべての店舗を、横浜市中区に集中させていることです。

このドミナント戦略により、人員配置の最適化や食材ロスの削減など、飲食店が抱えがちな課題の解消に取り組んでいます。

近いエリアに複数店舗があることで、スタッフの連携が取りやすくなります。

食材や人材の調整もしやすくなり、店舗ごとの無駄を減らすことにもつながります。

地域密着でありながら、経営効率も高める。それがParatusの店舗展開の特徴です。

駅徒歩1〜2分の路面店で、大手と差別化する

Paratusの店舗は、すべて駅から徒歩1〜2分圏内の路面店に出店しています。

大手企業が進出するような好立地でありながら、地域に根ざした柔軟なサービスを提供することで差別化を図っています。

大手の強みは、安定した商品やマニュアル化された接客です。

一方で、地域のお客様にとっては、顔の見える接客や、その場に合わせた柔軟な対応に価値を感じることもあります。

Paratusが大切にしているのは、一人ひとりのお客様との関係性です。

常連のお客様ができる。
お客様同士がつながる。
店が、地域のコミュニケーションの場になる。

そうした関係性が、ロイヤルユーザーの獲得につながっています。

飽きのこない店づくりと、顔の見える接客

多様なジャンルで、地域のリピーターを増やす

Paratusの店舗は、ジャンルが一つに固定されていません。

イタリアン、メキシカン、日本酒、ワインなど、多様な業態を展開することで、お客様がシーンに応じて使い分けられる店づくりを行っています。

今日は友人と気軽に飲みたい。
別の日には食事会をしたい。
イベントや二次会で利用したい。
観光の合間に立ち寄りたい。

同じ地域の中に、異なる楽しみ方ができる店舗があることで、お客様は飽きずに利用しやすくなります。

地域に住む方だけでなく、横浜中華街や横浜スタジアム周辺を訪れる観光客、ニューグランドホテルや山手迎賓館などを利用する結婚式二次会のお客様など、幅広い層が訪れています。

柔軟なプラン提案で、イベントや宴会にも対応

Paratusでは、既製プランを一方的に提案するのではなく、お客様に合わせた柔軟なプランづくりを大切にしています。

集まりやすい立地で食事会を開きたい、イベントや宴会を企画したい、飲食を通じて、参加者同士のコミュニケーションを生みたい。

そうしたニーズに対して、店舗やプランを柔軟に提案できることが強みです。

飲食店は、ただ料理を出す場所ではありません。

誰と、どんな時間を過ごすのか。そこにどんな会話や出会いが生まれるのか。

Paratusは、その場に合った空間とサービスを通じて、多様なイベント企画を支えています。

飲食を通じて、人との出会いを生み出す

経営者仲間や飲み友達が生まれる、リアルなマッチングの場

Paratusの店舗を利用することで得られる価値のひとつが、人との出会いです。

経営者仲間。
飲み友達。
地域の常連同士。
イベントで出会う新しいつながり。

飲食店には、リアルなマッチングの場としての役割があります。

オンラインで多くの人とつながれる時代だからこそ、同じ空間で顔を合わせ、会話をし、関係性をつくる価値は高まっています。

地域に根ざした店だからこそ、偶然の出会いが継続的な関係になりやすい。

その積み重ねが、街のつながりを強くしていきます。

手作りへのこだわりが、日常の小さな幸せになる

Paratusでは、食への関心やこだわりも大切にしています。

特に、手作りへのこだわりや、既成概念にとらわれないメニューづくりは、お客様に日常の小さな幸せを届ける要素です。

外食は、特別な日だけのものではありません。

仕事終わりに立ち寄る一杯、友人と食べる一皿、イベントの後に囲む食卓。

そうした何気ない時間の中に、少しの驚きや楽しさがあること。

それが、お客様の記憶に残る店づくりにつながっています。

不動産賃貸事業で、街づくりへの関わりを広げる

テナントビル取得で、人の流れをつくる側へ

Paratusは今年、テナントビルを取得し、不動産賃貸事業も開始しました。

これは、津久井氏が当初から掲げていた「街づくり」という目標に近づく大きな一歩です。

飲食店を運営するだけでなく、テナントビルを持つことで、どのような事業者が地域に入るのか、人の流れがどう生まれるのかにも関わることができます。

街のにぎわいは、ひとつの店舗だけで生まれるものではありません。

魅力的な店やサービスが集まり、人が行き交うことで、地域全体の価値が高まります。

不動産賃貸事業は、Paratusにとって、より広い視点で街に関わるための事業です。

飲食と不動産の両面から、地域の価値を高める

飲食業は、人が集まる場をつくる事業です。

不動産賃貸事業は、人が集まる場所そのものを整える事業です。

この両方を持つことで、Paratusは地域に対してより多面的な価値を提供できるようになります。

どんなテナントが入れば、街に必要とされるのか。
どの場所に、どんな人の流れをつくるのか。
飲食店と周辺の事業者が、どう連携できるのか。

こうした視点を持ちながら、Paratusは横浜の街に新たなにぎわいを生み出そうとしています。


ひとりでは実現できないから、仲間と一緒に進む

スタッフ・仲間への気遣いを大切にする理由

津久井氏が仕事で大切にしているのは、スタッフや仲間への気遣いです。

自分の目標は、一人では実現できない。

そのことを常に念頭に置き、みんなで課題をクリアしていくことを大切にしています。

飲食店は、現場で働くスタッフの力があってこそ成り立ちます。

料理をつくる人。
接客をする人。
店舗を支える人。
お客様との関係性を築く人。

どれか一つが欠けても、良い店にはなりません。

だからこそ、津久井氏は「みんなでやること」を何より重視しています。

小さな心配りの積み重ねが、大きな目標を支える

街づくりという大きな目標は、一朝一夕では実現できません。

日々の営業。
お客様への対応。
スタッフ同士の気遣い。
地域との関係づくり。

一つひとつの小さな積み重ねが、やがて大きな成果につながります。

横浜という地域に根ざし、ぶれずに発信し続けること。

そして、人と人とのつながりや日々の心配りを大切にすること。

それが、Paratusの事業を支えている考え方です。

横浜を、日本が誇れる観光地として世界へ

5年で10店舗を目指し、地域に必要とされる店を増やす

今後、Paratusはメイン事業である飲食業において、地域に根ざした店舗と商業施設への出店をバランスよく展開し、5年で10店舗を目指しています。

街場のお店として地域に愛される店舗をつくる一方で、商業施設への出店も行う。

その両方を進めることで、より多くの人にParatusの店舗を知ってもらい、横浜のにぎわいに貢献していきたいと考えています。

また、不動産賃貸事業を通じて、地域に必要とされるテナントや人の流れを生み出し、街の魅力を高めていく方針です。

行政とも連携し、横浜の新しい街づくりに貢献する

津久井氏は、横浜市が進める再開発事業や、開港祭、花火大会など、街全体のイベントにも積極的に関わっていきたいと考えています。

横浜という地域に、より大きな価値を提供できる企業へ成長すること。

行政とも連携しながら、日本が誇れる観光地・横浜を世界に発信していくこと。

それが、Paratusの今後の展望です。

飲食店の運営から始まった事業は、不動産、地域イベント、街づくりへと広がっています。

創業当初から津久井氏が抱いていた「理想の街づくり」という思いは、少しずつ形になり始めています。

飲食業で働く人が、誇りを持てる業界へ

津久井氏が社会や業界に対して実現したいことは、日本の素晴らしいサービスや食文化を次の世代へつないでいくことです。

そのためには、飲食業で働く人が、誇りとやりがいを持って働き続けられる環境が必要です。

飲食業は、人の生活を豊かにする仕事です。

おいしい食事を提供する、楽しい時間をつくる、人と人がつながる場を支える。

その価値は大きい一方で、働く環境や待遇の面で課題を抱えてきた業界でもあります。

Paratusでは、会社の制度や社員の待遇を充実させ、日本の飲食業で働く人が前向きに働き続けられる業界づくりを目指しています。

横浜に根ざし、にぎわいとつながりを生み出す企業へ

大学卒業後、何の事業をするかも決めずに起業を決意した津久井氏。

その先にあったのは、自分が理想とする街づくりでした。

イギリスの小さなバーで感じた空間デザインの魅力。
コロナ禍で培った変化への対応力。
横浜市中区に集中出店する地域密着の戦略。
飲食と不動産を組み合わせた、新たな挑戦。

Paratusの事業は、単なる飲食店経営にとどまりません。

地域に人が集まり、出会いが生まれ、日常の中に小さな幸せが増えていく。

そんな横浜の未来に貢献するための取り組みです。

もし、横浜で食事会やイベントを企画しているなら。
地域に根ざした柔軟な飲食店を探しているなら。
あるいは、横浜の街に新しい人の流れを生むテナント展開を考えているなら。

株式会社Paratusは、飲食と不動産の両面から、横浜のにぎわいをつくる企業です。

企業情報

会社名株式会社Paratus
代表津久井 将弘(つくい まさひろ)
事業内容飲食業、不動産賃貸事業
URLCafe&Cocktail Bar En Route(イタリアン)
Deli&Restaurant Bar Maachin(メキシカン)
裏道スタンド(日本酒立ち飲み)
下町のArMenti(ワイン居酒屋)
Mex kitchen&Bar Maachin(メキシカン居酒屋)

撮影(ページトップのみ)

紙田 理和

紙田 理和 / フォトグラファー

女性起業家・経営者のブランディング撮影と、子どもやファミリー撮影を同等に行う。ヘアメイクにも対応し、撮影までトータルで提供している。

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